京都フォトログ

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古都で過ごす日々の記録。季節の花や歳時を撮り歩きます。

庭園26 南禅寺本坊庭園 小堀遠州と十の庭

今回は南禅寺本坊庭園を紹介します。

南禅寺本坊庭園は伝小堀遠州の「虎の子渡しの庭」が有名ですが、

他にも九つ、合わせて十の庭園があります。

(茶室前の露地庭を加えたら11箇所見られます)

見落とさないようにしっかりチェックしてから行くと良いですよ!

 

 

南禅寺とは?

瑞龍山(ずいりゅうざん)

太平興国南禅禅寺(たいへいこうこくなんぜんぜんじ)といいます。

京都五山の第一位でしたが、足利尊氏天龍寺を建立した時に、

南禅寺を五山之上(別格)とし天龍寺を第一位にしました。

 

南禅院の回で触れましたが、

亀山法皇離宮を寺にしたので、皇族発願のお寺です。

当然、筋塀は最高格式の白線五本です。

remist.hatenablog.jp

 

お抹茶を頼んだ時に通される部屋に滝のお庭がありますので、

まず拝観時にお抹茶を頼みます。 

襖が開いている時は廊下からでも眺められますが、

中に入って堂々と良い位置で見たければ。

頼みもせず茶席に入っていくのは論外!

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南禅寺庭園

1:南禅寺大玄関前庭

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境内を歩いていると誰でも見られる表に面した庭園です。

市電伏見線が廃止になった時に、敷石は寺社を優先的に払い下げられました。

なので昭和45年(1970年)の新しいお庭になります。

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南禅寺も含め東山観光のゴールデンコース

清水三年坂・二年坂・石塀小路・哲学の道祇園の新橋通りなど、

市電の敷石が使われています。

2:大方丈前庭「虎の子渡しの庭」

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応仁の乱で焼失し荒廃した南禅寺を、

以心祟伝が再興した際に作られた庭園で小堀遠州作と伝えられています

方丈や大日山を借景とし、紅葉やサツキが彩りを添えます。

 

小堀遠州はそれまでの立石を使った蓬莱山や須弥山と言った、

仏教的世界観を払拭し、石を横向きに配置した庭園を持ち込み始めます

江戸時代初期の代表的枯山水で国指定の名勝庭園です。

 

3:小方丈庭園「如心庭」

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心字形に庭石を配置した枯山水の石庭です。

『心を表現せよ』と当時の南禅寺管長・紫山全慶老師が自ら

指示指導されたそうです。

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『解脱した心の如く、落ち着いた雰囲気の禅式枯山水庭園である』(説明文より)

と、なっていますが、経路の曲がり角にあり奥は立ち入り禁止なので、

端の方は正面から観る事は出来ません。

昭和41年作庭

 

4:「蓬莱神仙庭」

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如心庭の次にありますが、

廊下からパッと視界が開けたところに「六道庭」があるので、

見落としやすい枯山水庭園です。

左側の隅にあります。

 

5:「六道庭」

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『「如心庭」が解脱した心の庭である事に対し、

「六道庭」は、六道輪廻の戒めの庭である。』(説明文より)

座禅石があり、周りに景石が配されていますが、

鬼瓦なども睨みを利かせていたりします。

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一面の杉苔に乱雑(計算されています)に置かれた景石で、

煩悩に迷い輪廻に達することの無い凡夫のはかなさを表しているそうです。

昭和42年作庭

 

6:「鳴滝庭」

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回廊に囲まれた坪庭になります。

片隅に大硯石がありますが、紅縞と呼ばれる大理石の一種で、

原石は既に掘りつくされて現存しないとても貴重なものです。

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方丈の「鳴滝の間」の前にあるので「鳴滝庭」だと思いますが、

鳴滝の間を正面として作られていません。

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2009年の今より綺麗な頃の大硯石

説明板がありましたが、今は無くなっていました。

7:「華厳庭」

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昭和58年(1983)に龍渕閣建築に伴い、塔頭の帰雲院が移転し、

それに併せて茶室不識庵が移築しました。

その時に茶亭窮心亭の新築と華厳庭・龍吟庭が造られました。

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華厳の滝などによく使われる「華厳」ですが、

厳は”きびしい”ではなく、荘厳の方の”美しく飾る”という意味合いで、

「華厳」とは「華によって美しく飾る」事をいいます。

そこから仏教的には”修行を華にたとえ、その華で仏を飾る”となります。

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華厳経の宇宙観は『万物はそれぞれ無関係ではなく、

空間時間をも越えて全てが一体となっている(影響しあっている)』

という感じなので、

白砂にいくつかの島が点在し丸い砂紋を描いていますが、

「響きあう宇宙のこころ」を表しています。

 

ところで苔により一つの島になっていますが、

こちらが現在の完成形なのか?

(たまにそう思っていたら、次に行くとまた無くなっています)

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前は苔がありませんでした(2009年撮影) 

8:「龍吟庭」

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華厳庭と同じく昭和59年に造られました。

池は豢龍池(かんりゅういけ)といい、

滝があり湖畔の景石には十津川石が配石されています。

 

向こうに見えるのは茶室「不識庵

達磨大師の「お前は何者だ?」『不識(しらず)』

の名言です。

名前や出生・性格などで説明できるようなものではない

「真実の自分」についての話ですね。

 

この故事から上杉謙信は「不識庵謙信」と号しました。

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この鞍馬石の巨石は、かつて三門の西にあったものを運び込み、

龍吟庭の主石とされました。

 

回廊の突き当たり角からしか見られないので、

この角度からしか撮れません。

歩き回れれば一番見所がありそうなお庭です。

 

9:「還源庭」(げんげんてい)

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十牛図でいうところの9番目を「返本還源(へんぼんげんげん)」といいます。

「元に戻り、はじまりに還る」という意味です。

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10:「滝の間の庭」

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お抹茶を頂く時に案内される部屋です。

お茶は先頂くか、あとで頂くか選べます。

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この豊富な水量の滝の水が、南禅寺境内南端を流れています。

 

番外:窮心亭露地庭

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華厳庭と龍吟庭の間にある茶亭「窮心亭」の露地庭です。

修学院離宮「窮邃軒(きゅうすいけん)」の趣を慕って付けられました。

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秋にはツワブキと紅葉が彩りを添えそうです。

番外その2 龍虎の間

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部屋は立ち入り禁止なので確認出来ませんが、

最初の本坊略図パネルでは池と橋と植栽が書かれていますね。

 

 修学院離宮「窮邃軒」についてはこちら!

remist.hatenablog.jp

 

南禅寺 秋

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秋は人が多いので、本坊に入った事が無かった様です。(写真が無かった)

南禅寺 雪

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拝観情報

臨済宗大本山 南禅寺

拝観時間:12/1~2/28 AM8:40~16:30

     3/1~11/30 AM8:40~17:00

(受付は拝観終了の20分前まで)

 

方丈庭園拝観料:一般   500円

        高校生  400円

        小中学生 300円

 

アクセス 地下鉄東西線蹴上駅」下車 徒歩約10分

     市バス 「東天王町」「南禅寺永観堂道」下車 徒歩約10分

 

駐車場:2時間以内1000円 以後1時間ごとに500円増し