京都フォトログ

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古都で過ごす日々の記録。季節の花や歳時を撮り歩きます。

庭園35 建仁寺塔頭両足院 半夏生が彩る池泉回遊式庭園

今回は建仁寺塔頭の両足院(りょうそくいん)庭園を紹介します。

常時公開している塔頭の無い建仁寺の中では、

一番早くから安定して年数回の特別公開が行われ始めたように思います。

 

両足院略歴

開山当時は「知足院」でしたが、

天文年間の火災の後、開山堂・護国院の中にあった別院の「両足院」と合併し、

両足院となりました。

 

栄西禅師の法脈・黄龍派を受け継ぐ龍山徳見(りゅうざんとっけん)禅師が開山です。

徳見禅師が知足院に葬られてからは、徳見禅師の法脈を継ぐ

文林寿郁(ぶんりんじゅいく)の両足院

一庵一麟(いちあんいちりん)の霊泉院など黄龍派の本院でした。

(霊泉院は現在の霊源院です。)

両足院庭園 唐門前庭

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白砂と苔・松からなるお庭で、

方丈入り口への一直線のアプローチが印象的です。

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分岐を右に行くと直接方丈前の延段に出ます。

お墓へ行く参詣者の道です。

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逆サイドから。

低木や生垣でならよく見る四角い刈り込みも、

一本だけとなると印象に残ります。

 

高麗門(写真の門)が開扉する事すら年数回なので、

普段はこの前庭も目にする事はありません。

 

方丈前庭・東庭

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方丈前は平庭の枯山水庭園になっており、

お茶室に行く時はお庭に下りる事が出来ます。

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東側には築山や石組・松で立体的になっています。

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方丈東庭の築山と石組

 

この築山は池に向かって頭を突き出している亀島となります。

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庭に下りて側面から。

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方丈裏(北)へと回り込み、書院前庭の池泉回遊式庭園へと続きます。

 

池の形は鶴を表しており、鶴亀庭園となっています。

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方丈前庭の延段から池の対岸を通って茶室前まで行けます。
実質庭園一周です。

大書院前庭「半夏生の庭」

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池の周囲を半夏生が彩る池泉回遊式庭園で、

薮内流5代・薮内竹心紹智の作庭です。

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半夏生の庭」というのは正式名称ではありませんが、

この庭園を知っている人は大体それで通じています。

 

半夏生(はんげしょう)は「七十二候」の「半夏生(7/2頃)」に色付きますが、

半夏生」の由来自体は「半夏(はんげ)」と呼ばれる

生薬が生える頃から来ているようです。

一説には半夏生が色付く頃だからというのもあります。

 

関西地方では半夏生の日にはタコを食べる風習があります。

夏の暑い日にタウリンを取って元気をつけると言う事で、

喜んで戦略に踊らされます。

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例年5月末から7月頭の半夏生が見頃の時期に特別公開されますが、

冬にも公開されるので雪景色もチャンス有りです。

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一番奥に茶室があり、特別公開の時はこちらでお茶を頂けます。

織田有楽斎の如庵の写し「水月亭」(左)と六帖席の「臨池亭」(右)

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水月亭」

明治43年に建てられた如庵写しの2畳半台目です。

腰張りに中国の暦が貼られているあたりも、

正伝永源院の如庵写しと同じ雰囲気です。

 

興味があれば中の写真は公式サイトの方で見て下さい。

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「臨池亭」

破れ井桁(?)の大きな丸窓と、西側の板戸も外せる広く開放的な茶室です。

くつろいでいる人がいるので、

あまり落ち着いてそちらを見た事はありませんが。

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呉服屋系老舗百貨店「白木屋」の大村彦太郎は禅宗に帰依し、

初代から代々両足院を菩提寺としてきました。

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現在の方丈や多くの建物が白木屋の寄進によるもので、

お茶室も明治43年に「水月亭」を寄付し、

昭和元年には高台寺にあった同家の茶室「臨池亭」も寄付し

移建しました。

白木屋は東急百貨店日本橋店となり、日本橋店は1999年に閉店

法人自体は東急百貨店として存続)

 

寺宝として「しろき観音」や若冲の絵も公開されます。

 

拝観情報

公式サイト:

京都建仁寺塔頭両足院|座禅体験・庭園の特別拝観(特別公開)・樹木葬

通常非公開(例年5月下旬から7月頭に特別公開)

     (12月下旬から1月末に冬の公開)

特別公開情報は公式サイトを確認してください。

 

国宝茶室「如庵」写しのある正伝永源院

remist.hatenablog.jp