京都フォトログ

古都で過ごす日々の記録。季節の花や歳時を撮り歩きます。

庭園8 仙洞御所 小堀遠州の名残を残す庭園

御所に続き宮内庁管理の庭園、仙洞御所を紹介します。

 小堀遠州が作庭し、修学院離宮円通寺の造営でも知られる後水尾上皇により、

改修され大きく姿を変えましたが、遠州作庭当初の遺構が残る部分もある

貴重な庭園です。

 

 

仙洞御所とは?

1627年に後水尾上皇の為に造営されました。

仙洞とは仙人の住処のことをいい、

そこから譲位した天皇つまり上皇法皇の御所を仙洞御所というようになりました。

仙洞御所は「院の御所」とも呼ばれます。

 

これまでは単に「仙洞御所」でしたが、

令和元年5月から明仁上皇の住まわれる場所が仙洞御所となるので、

皇居の吹上仙洞御所・赤坂御用地の仙洞御所と区別する為に、

「京都仙洞御所」と改称されました。

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でも、実際には泊まるのは大宮御所であり、

仙洞御所は焼失したあと再建されていません。

地図左下の空き地が仙洞御所の建物があった跡地です。

 つまり、↓コレが仙洞御所(跡地)

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大宮御所とは?

東福門院の為に造営したのが始まりで、

太后の御所(女院御所)を指します。

現在は天皇皇后、皇太子家の京都滞在の際に使用されています。

かつては国賓の宿泊施設として使われましたが、

京都迎賓館の完成に伴いその役目は終えました。

 

それでは大宮御所から参観開始です。

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車寄せ、唐破風屋根と二重に雁行した切妻屋根が連なるのがポイントです。

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大宮御所常御殿

大正時代に時代に合わせてガラスと洋室が導入されました。

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大宮御所常御殿前庭は「松竹梅の庭」

白梅・紅梅・松・呉竹が植えられています。

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門を潜って、スタート地点でありゴール地点の茶亭・又新亭(ゆうしんてい)

一周したらまた来ます。

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庭園散策のスタート地点「舟着場」

北池は女院御所だった大宮御所の庭園であり、

護岸の石も少なく優美な曲線の庭園になっています。

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「六枚橋」威圧感を出さない様に橋添石も低目です。

かといって、四隅の石を隠す(無くす)と不安な印象を持つかと思います。

 

橋の左手が「阿古瀬淵(あこせがふち)」

「古池の山吹」といい、晩秋に咲く山吹は仙洞十景のひとつに上げられています。

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この辺りに平安の歌人紀貫之の邸宅があったと言われ、

「あこせ」とは貫之の幼名「阿古久曾(あこくそ)」にちなんだとも、

この地に住んでいた「尼御前」からとも言われています。

築山を見上げれば紀氏遺蹟の石碑が立っています。

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小さな滝を作りながら池に流れ込む遣水

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顔を上げると、上には鎮守社

伊勢神宮・上賀茂・下鴨・石清水・春日の神々が祀られており、

仙洞十景「神祠の夜灯」はここの灯火の事です。

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池に目をやると、これから行く中島と優美な曲線

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振り返ると、これだけしか進んでいません

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この土橋を渡って鷺島に行きます。

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御所「御内庭」にあった土橋とよく似た造りですね。

 

反りの中央を一体の橋脚で支え、楔で止めている姿が刀の柄のようなので

「束橋」と呼ばれています。

また、鷺島にかかる橋であり、鷺が一本足で立つ姿になぞらえ「鷺橋」とも。

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鷺島から右を見るとスタート地点の正面辺りです。

天気は雲が広がり微妙ですが、風が無いので水鏡は綺麗です。

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石橋の北側(左)は「非蔵人淵」

非蔵人の官人が入水したのでその名が付いたとか(ぇー

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橋は三条白川橋の石材を転用したもので、切石が4本並んでいます。

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北池を回りこみ、向こうに藤棚が見えてきました。

今立っている辺りが、大宮御所と仙洞御所を分けていた壁を壊し、

池を繋げた辺りです。

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地図では「紅葉橋」と書いてある…

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この一本を元に紅葉見頃の仙洞御所を想像すると、

また秋に行きたくなりました。

 

それより、先頭は藤の八つ橋を渡っています。

怒られない程度に最後尾をキープし続けるカメラ組。

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こちらが南池…仙洞御所の庭園です。

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奥に「雄滝」と平らな石「小野小町 草紙洗の石」

歌謡「草紙洗小町」に出てくる石です。

舟着場にもなります。

 

すぐ横が「烏帽子石」

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この辺の所々一直線になっている部分を見逃さないでください。

自然石と切石をリズミカルに配置した護岸の、

この直線こそが小堀遠州の作庭当初の遺構です。

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全景はこんな感じで、向こうには行きませんし肉眼では細部が見辛いのですが…

 

向こうの土佐橋を渡った先にある大きな石は「御腰掛石」

(上の写真の方が分かりやすいです)

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帰りにまたこの横を通りますので、

その時に撮れば人がいない状態で八つ橋が撮れます。

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八つ橋を渡りながら右を見ると州浜が広がり、

突き当たりに茶室「醒花亭」が見えます。

五月なら多分、藤越しに見る景色になるでしょう。

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八つ橋を渡った先には2つの中島があり、

北の中島にはかつて「滝殿」と呼ばれる建物があり、

紅葉山や雄滝周辺の眺めが良く(良い写真がありませんでした)

秋の風景は仙洞十景「滝殿の紅葉」として選ばれています。

f:id:ReMIST:20190629120642j:plain 南の中島にはかつて「釣殿」が建てられていました。

雪見灯篭は水戸光圀献上

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舟着場と飛び石があります。

釣殿から眺める蛍は仙洞十景「釣殿の飛蛍」とされています。

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橋を渡り南池の東岸から西の景色。

かつて「鑑水亭」という建物があり、こちらから眺める夕暮れの景色は

仙洞十景「鑑水の夕照」と言われました。

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一気に奥の醒花亭へ。

途中、小舟があったり、参観ルート外に仙洞十景「悠然台の月」に選ばれている

「悠然台」(跡地)があったりします。

修学院から山崎の方まで見え、祇園祭山鉾巡行も見えたと言われています。

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茶室醒花亭からの眺め

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州浜の石は約11万1千個で、小田原から取り寄せた全部選りすぐりの綺麗な丸石で、

石一個につき米一升と交換したことから「一升石」と呼ばれています。

月夜の晩にはほのかに青白く輝くと言われています。

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数寄屋造りの茶亭「醒花亭」

朝鮮灯篭は加藤清正献上と言われています。

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前には織部灯篭もあります。

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違い棚の意匠が素敵です。

「醒花亭」の由来となった李白漢詩が掛かっています。

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醒花亭から八つ橋にかけては桜の馬場と呼ばれており、

「醒花亭の桜」も仙洞十景のひとつです。

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氷室とか古墳跡と言われるさざえ山とかありますが、

ちょっと省いて柿本人麻呂を祀る「柿本社」

 

歌の神様として祀ると同時に、「ひとまろ」を「火止まる」として、

火災除けの縁起担ぎも兼ねています。

この辺り一帯はかつて仙洞御所の御殿が並んでいて焼失したので尚更。

 

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州浜に戻ってこの景色!

 

池にあるのは「葭島(よしじま)」ですが、かつては「蓬莱島」でした。

蘆(あし)が茂っていたため、いつしか葭島になりました。

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八つ橋の横を通って北に戻っていきます。

この時に紅葉山なども人がいない状態で撮れます。

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蘇鉄山がありますが、冬の準備でこの状態…

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舟着場まで戻って来ました。

護岸の様子が南池と全然違いますね。

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茶室「又新亭(ゆうしんてい)」

破れ井桁の大きな丸窓に、小枝が2本ずつ付いている四つ目垣

 

かつてここには修学院離宮にあった止々斎(ししさい)が建っていました。

その後、焼失し近衛邸から移築されたのが又新亭です。

裏千家の「又隠(ゆういん)」を真似て作られており、

この窓だけ違う点。

「止々斎の雪」もまた失われた仙洞十景のひとつですが、

この窓から雪の仙洞御所を眺めるのも素敵でしょうね。

 

暫く名残を惜しんだら来た時の門から出て行きます。

 

見所まとめ

・北池:女院御所の名残を残す優美な曲線

・南池:八つ橋手前から向こうに見える遠州の名残を残す直線的な護岸

・醒花亭からの州浜の曲線(春なら桜の馬場)

あとは好みで茶室とか護岸、季節の花など

拝観情報

宮内庁参観案内:施設情報:仙洞御所

休止日:月曜日(休日の時は火曜に振り替え)、年末年始、行事予定日

アクセス:地下鉄烏丸線 丸太町駅1番出口より徒歩15分

     市バス 府立病院前下車 徒歩10分

申し込み方法:3ヶ月前から郵送・オンラインで申し込みます。

       詳細は公式サイトへ。

京都御所に直接来られる方は、宮内庁京都事務所の窓口で

直接空いている日やキャンセル状況を聞いて予約するのがオススメでしたが、

先着順当日申し込みという、更に狙った日に行けそうな申し込みが出来たので、

朝一で直接仙洞御所に行くのもオススメ。

 

注意!

宮内庁事務所は窓口予約用

「明日、空きかキャンセル無い?」で飛び込みも出来ますがあくまでも予約。

当日申し込みは、各施設現地で申し込みなので、

当日整理券を貰いに行くのは仙洞御所!