京都フォトログ

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古都で過ごす日々の記録。季節の花や歳時を撮り歩きます。

庭園60 妙心寺塔頭退蔵院「余香苑」「元信の庭」 中根金作と狩野元信の名勝史跡庭園

今回は妙心寺塔頭退蔵院を紹介します。

最古の水墨画といわれる国宝「瓢鮎図や、

狩野元信が作庭した史跡名勝庭園「元信の庭」があります。

妙心寺で通年公開の4ヶ院の塔頭の1院です。

 

妙心寺通年公開の塔頭大心院

remist.hatenablog.jp

退蔵院略歴

1404年(応永11年)に越後国の波多野重通(はたのしげみち)が、

妙心寺三世の無因宗因(むいんそういん)を開山として千本通松原に創建しました。

その後、法嗣の日峰宗舜(にっぽうそうしゅん)により妙心寺山内に移築されました。

法嗣とは”法脈を継ぐもの”で、ただの弟子では無く跡取りの事です。

 

妙心寺には「六祖」と呼ばれ尊崇を集める人物がいますが、

妙心寺三世の無因宗因は後に「三祖」と呼ばれ、

妙心寺七世の日峰宗舜が「四祖」と呼ばれます。

このように「六祖」は住寺として何世目かを表すものではありません。

 

「退蔵」とは「価値ある物をしまっておく」という意味で、

人知れず良い行いを積み重ね、

内に秘めながら布教していくという事を示しているようです。

「元信の庭」

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狩野派隆盛の基盤を築いた2代目・狩野元信が晩年に造った枯山水庭園です。

自分がこれまで描いていた水墨画の世界を、

最後に立体として表現しています。

 

元信は妙心寺塔頭では霊雲院障壁画や東海庵に作品を残していますが、

どちらも妙心寺四派の本庵で、山内の多くの塔頭の中でも特に重要なお寺です。

特に障壁画の残る霊雲院は「元信寺」との呼び名もあります。

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お庭ですが、方丈は通常非公開なので正面から見られず、

側面から観賞する形になります。

「元信の庭」は位置的には方丈南庭の隣の庭になります。

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枯滝から水の流れが白砂で表現され、橋も架かっていますが、

植栽もあり横から眺めるだけだと分かりにくいです。

公式サイトの写真を拝見するか、

食事付き特別観賞のプランをご利用ください。

観賞プランではこの障子窓から全体を見渡す感じで観賞できるようです。

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奥に枯滝石組や蓬莱山があり、手前の手水鉢があるまとまりが鶴島で、

その向こうの橋が架かっているのが亀島の鶴亀蓬莱の庭になります。

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亀島です。

この写真は4月なので赤い花は椿です。

写真中央の椿の木の間の石組が枯滝石組です。

 

椿の左の大きな石が蓬莱山です。

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まさかこの手水鉢が鶴島の一部とは、

説明が無かったら気づきませんね。

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常緑樹しか使わず「不変の美」を追求したものと言われています。

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笹の向こうに石組や橋があり、水の流れはその奥に消え山中の雰囲気です。

方丈南庭

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シンプルな苔庭です。

普通に奥の「元信の庭」への苑路なので失念していましたが、

よく考えればこの場所は方丈前庭でした。

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方丈前の突き当りが「元信の庭」で折り返します。

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方丈前は儀式の場であり昔は庭園など無く、

大徳寺妙心寺方丈前庭の様に白砂の庭でした。

御所の紫宸殿前や古くは奈良の大極殿前のように、

一面何も無く儀式の際には幡を立てたり大人数が整列出来る感じです。

 

やがて儀式は室内で行われるようになり、

枯山水が造られるようになりました。

『陰陽の庭』

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陰の庭」と「陽の庭」で対となり、

物事には二面性がある事を表しています。 

「陰の庭」

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4月は「そうだ京都、行こう。」のポスターにも使われた枝垂桜が華やかです。

黒い砂紋にピンクの花びらが溜まり線を引いていく様が良いです。

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手前に5つ・奥に3つの石が据えてあり、

「陽の庭」の7つの石と合わせて七五三の庭となっています。

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夏は紫つゆ草や桔梗が咲いています。

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雪が砂紋に積もって線が出来るのも良いです。

「陰の庭」は黒砂なので更に綺麗な模様が浮かび上がります。

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こうなるのも、砂紋が消えないように常に手入れが行き届いているからですね。

砂紋が消えかけの庭や、描くのをやめたような庭がいかに多い事か…

「陽の庭」

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先の説明通り、「陽の庭」には7つの石があります。

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こちらも夏は桔梗が咲いています。

近くの法金剛院が蓮の時期は観蓮会で7時に開門しているので、

その後セットで来ると効率良く回れます。

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「余香苑」

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昭和の名作庭家・中根金作が昭和40年に造った池泉回遊式庭園です。

4月と7月と2月をほぼ同じ位置で撮影しましたが、

蓮があるとかなり雰囲気が変わります。

 

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桜に目が行きますが、

滝落石組や小さな段差を経て水が流れるさまも観てください。

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池の左側にも小さな流れがあり水が注がれています。

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隅っこにはベンチがありますが、

刈り込みや四阿も見え、日本庭園らしい眺めです。

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夏の余香苑です。

三段落ちの滝が瓢箪池に流れ込み、周りを季節の花が彩ります。

7月頃は蓮・睡蓮・桔梗・姫檜扇水仙・ 紫陽花など

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雪の日に行くと面白そうな場面に出くわしました。

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対岸のカメラマンの邪魔にならないように、

急いで向こうへ移動します。

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他の季節はこの辺は椿や紫陽花でこんなに池が見通せません。

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絵になります。

これぞ座禅石の正しい使い方(座禅石かは知りません)

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出来ればこの青空の下で撮りたかった!

退蔵院拝観情報

公式サイト:退蔵院|京都 妙心寺

拝観時間:9:00~17:00

拝観料:一般   600円

    小中学生 300円

アクセス:JR嵯峨野線花園駅」下車 徒歩約7分

     嵐電妙心寺駅」下車 徒歩約10分

     京都バス「妙心寺前」下車 徒歩約3分

     市バス 「妙心寺北門前」下車 徒歩約5分

駐車場 退蔵院専用駐車場有(退蔵院で駐車券を受け取り、無料)

妙心寺南門前西側 第一駐車場(約30台)

      東側 第二駐車場(約10台)

ともに8:30~17:30までです。

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