京都フォトログ

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古都で過ごす日々の記録。季節の花や歳時を撮り歩きます。

庭園64 妙心寺塔頭東海庵庭園 趣の異なる3つの庭園

今回は妙心寺塔頭東海庵庭園を紹介します。

妙心寺四派の東海派本庵であり、

体相用(たい・そう・ゆう)を表す3つのお庭があります。

禅の「無」とは体(本体)・相(本来の性質・性能)・用(性質の持つ働き)とされ、

東海庵の3つの庭はそれを表現しています。

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東海庵略歴

東海庵は悟渓宗頓(ごけいそうとん)を祖とする東海派の本庵です。

師の雪江宗深(せっこうそうしん)からは「徳は悟渓」と評されました。

雪江宗深より玉鳳院の西の地を与えられ、

妙心寺11世・悟渓宗頓を開山とし弟子の利貞尼により1484年に創建されました。

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利貞尼は関白・一条兼良(かねよし/かねら)の娘、

または野間入道の娘(甘露寺親長の養女)と言われています。

妙心寺の境内が広大で仁和寺領と重なっているのは、

利貞尼が仁和寺領を買い取り妙心寺に寄進していたからで、

妙心寺には東海庵のほか、聖澤院・天授院・大珠院(別説有り)を寄進しました。

 

妙心寺山内図にも、仁和寺領と妙心寺領が重なる事が書かれています。

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方丈前庭「白露地の庭」

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「体」の庭です。

東海庵の庭園はいずれも江戸末期の作庭とされています。

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白砂だけの古来より一般的とされる修行や儀式の場としての

方丈前庭の形です。

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何も無いがゆえに土塀の向こうに広がる借景と呼応して、

四季折々の姿を鏡のように映し出し変化し続けます。

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隅に据えてある棗(なつめ)形手水鉢がワンポイントとなっています。

書院西庭「東海一連の庭」

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「相」の庭です。

文化11年(1814年)に禅僧・東睦宗補(とうぼくそうほ)によって作庭されました。

紀州田辺の海蔵寺15世)

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設計図が現存しており、作庭者の意図が分かる

江戸時代の庭園を知る上でも貴重な庭園で、

国の史跡名勝指定を受けています。

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これがあれば何も説明はいりませんね。

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松が3本植えてある所が盛り上がっていますが、

これが仙人が住むという「東海三山」とか「三神仙島」と呼ばれ、

「東海一連の庭」の名の由来です。

 

右の石単体で「鶴石」、左の石単体で「亀頭尾石」とか、

説明がないと分かりません。

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橋脚を利用した手水鉢と一文字手水鉢があります。

どこの庭園に行っても、一文字手水鉢は存在感があります。

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春日灯篭や橋柱手水鉢

右端の石は「龍門石」です。

「波切石」は別の写真にありますが平たい石です。

坪庭

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書院と本堂の間にある坪庭が「用(働き)」の庭です。

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同心円の砂紋は宇宙や真理を表す事が多いですが、

たいして大きくないこの坪庭から無限の広がりを感じさせてくれます。

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大小7個の庭石が配してありますが、

左右の石が傾いているのに対し、中心の石は安定しています。

これがどちらかに傾いているとこのバランスは崩れます。

 

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大徳寺塔頭龍源院「東滴壺」

大徳寺龍源院の「東滴壺」風にいうならば、

一滴の雫の働きかけは、それぞれに何らかの変化・作用をもたらす。

という所でしょうか。

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小さく簡素ですが良いお庭でした。

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東海庵拝観情報

通常非公開です。

2013年「京の冬の旅」で12年ぶりに公開されましたが、

2018年「京の冬の旅」でも公開されています。

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